終身現役

 以前から、気になっていた人物に会うことができた。その人のお店は20年ぐらい前から知っていたし、利用していた。こんな価格でよくやっていけるなと思っていた。
 そのお店はロイヤル・ホストやスカイラークのように中心地にはなく、あるのは人口5万人以下の市町村にあった。ランチェスター戦略でいうところの弱者の戦略でやっていた。
 そのお店とは、ファミリーレストランジョイフルである。そのお店を創業したのが穴見保雄氏。現在、ジョイフルは、福岡証券取引所40社の中で1位の時価評価額の会社である。全国に700店以上の店舗がある。
 私の郷里の鹿児島でもジョイフルのお店は多い。現在、穴見氏は、ジョイフルを後進に道を譲っていて、亀の井ホテルの社長を5年前からされている。73歳。いたって健康で夢に向かって邁進中の人物である。
 現在、ホテルは、10店以上あり、「生きている間に、100店舗」をつくり、基礎づくりしたいと言っておられた。本人が言うには年齢的に考えて、早くホテル開業したいが建築確認申請の関係や依頼先の信頼できる建設会社が忙しいので建設が思うようにいかないので困っているという。
 学ぶところがあったのでいくつかメモする。
○競争してまで商売はしない。
○30歳・40歳・44歳・52歳・62歳など、人生の転機が来たとき、「将来、どのような方向に向かっていくか」を考えて、判断してきた。
○ホテルマンの採用は、前歴がホテル関係者は採用しない。素人ばかり、採用する。
○飲食店もホテルも競争の激しい中心地は作らない。
○お客さんが喜んでくれると思い、ジョイフルは24時間営業にした。「こんな田舎でオープンして大丈夫?」というところにも店舗を作った。ライバルが来ないので3〜5年もすると赤字店も黒字店になった。
○お取引先からのお中元・お歳暮は断わる。
○経験から、言って「想いを強くすれば、必ず実現する」ことを実感している。
○学(がく)がなかったので、実体験で学んだ。自分の器を感じて、自分より能力のある人を2,000万円支払ってスカウトした。
○小さい問題やその時にたいへんと思っていたことは大きな問題がどんどん起きるので、どこかに消え失せてしまった。

 穴見氏と立ち話をした際、「私が終身現役ですね?」と言ったら、「そうだ!」と言っておられた。73歳でこんなに頑張っている人を見ていると刺激的だ。
 穴見氏に関する本は、「熱 現状打破のジョイフル創業記」 岡田清治著 がある。


 コンサート(佐世保にて撮影)